2011年6月29日星期三

開発元としては,タイアップのお話を受けてどう思われました?

開発元としては,タイアップのお話を受けてどう思われました?
Lee氏:
 開発スタッフには日本のアニメに興味のある人間が多いんですよ。アニメタイアップの話が出たときも,当初は内容についてもまったく知られていないアニメだったこともあり,非常に期待しながら作業を進めていました。
 ただ,最初はアニメの内容も分からないまま,頭に乗せるアクセサリーとして“キュゥべえ”のアバターアイテムを作っていたのですが,実際に放送を見ると「キュゥべえを頭に乗せるのはよくないんじゃないか……?」と混乱したことがありましたね(笑)。
4Gamer:
 結果として,キュゥべえのアバターは頭に乗せるかたちのまま実装されましたよね(笑)。
曽根氏:
 実のところ,今回のタイアップは本っ当に大変だったんです(笑)。原作のないオリジナル作品なので仕方ない部分もあるのですが――タイアップのコンテンツを作るにあたって,イメージビジュアルを見せていただいたのみで,アニメのストーリー展開は我々にも分からなかったんです。
 今回,プレイヤーさんからも「発表してから実装が遅い」といった苦言もいただいていたのですが,アニメとタイアップをする以上,単にアバターを作るだけでは面白くないとも思ったんですね。キュゥべえのアバターに,キュゥべえ特有の性格を取り入れたかったため,制作会社さんと何度も交渉しました。制作会社さん側としては,アニメのイメージを非常に大事にしていらっしゃるので,キュゥべえ自体の見た目は変えられなかったのですが,その中で考えたのが,アニメのストーリーに連動するかたちでキュゥべえのアバターのオプション効果を変動させよう,というアイデアです。
 ゲーム内でプレイヤーさんのメールボックスに「キュゥべえからのお知らせ」としてアニメ内のキュゥべえの台詞を引用したメールを送ったのですが,一番最初はオプションの数値が非常に高く使い勝手の良いアバターとしてキュゥべえアバターが届くんです。
 ただ,その1週間後にパッチを当てまして, 最新のキュゥべえの台詞を用いたメールをお送りしました。。例えば「攻撃力プラス100」だったものが,2週目は「プラス50」になっているので,プレイヤーさんたちの中で「あれ?」と気がつく方がいてゲーム内で話題に上がります。 そしてもう1週後,またメールが届くんです。また最新のの台詞を引用しているのでキュゥべえの本質がかなり見えてきている時期に,アイテムオプションの数値も一気に変えさせていただきまして,今度は「攻撃力マイナス100」のように,数値をマイナスに変えました。
4Gamer:
 マイナスですか!? それはまた,ずいぶん大胆なことを……(笑)。
曽根氏:
 もちろん,実装のタイミングで「アイテムのオプションは変更される可能性があります」とは予告させていただいたのですが,プレイヤーさんからも「なんでアイテムのオプションが下がってるんだ。しかもマイナスって!」といったご意見はいただきました。ただ,大半のプレイヤーさんは怒りを通り越して「うん。キュゥべえだからしかたない」と納得をされていた方が多かったのですが,今後同じようなことを実施する際は,もう少し配慮した上で実施をしていきたいと思います。
4Gamer:
 それは本当に,リアルタイムで「まどか☆マギカ」と「タルタロス」の両方に触れている人こそが楽しめた企画ですね。
曽根氏:
 キュゥべえのアバターについては,もらえるタイミングが2種類ありまして,既存のプレイヤーさんには,先述の1通目のメールが届くタイミングで全員にお送りしました。ただ,新規にタルタロスを開始されたプレイヤーさんに対しては,いきなりアイテムのオプションがマイナスになっていて「このゲームなんなの!?」と思われてしまってはいけませんので(笑),新規プレイヤーさんにはアイテムオプションの変動しないキュゥべえをお送りしました。
4Gamer:
 ということは,キュゥべえのアバターには効果が変動するものと固定されているもの,2種類のバージョンがあったと。
曽根氏:
 厳密にいうと5種類くらいあるんです。メール企画の1通目でお送りしているキュゥべえもランダムで4種類くらいありまして,アイテムオプションが全部違うんです。最初にアバターが届いた時点ではプレイヤーさんの間でも“アイテム”としての認識が強いので,「どんなオプションだった?」「俺のキュゥべえ,使えないんだけど」といったやり取りもあったりして(笑)。それで徐々に効果が変わっていく際にも,4パターンごとにアイテムオプションの変動する数値が違うため,「俺のキュゥべえに攻撃力をマイナスされたんだけど」「俺は移動速度が下がってる」と,プレイヤーさんごとに異なるキュゥべえを持っている状態にしました。
4Gamer:
 そこまで手の込んだ仕掛けがあったとは……。
曽根氏:
 アニメタイアップにあたりオープンした特設サイトについても,我々としては,どうしてもアニメのストーリーに沿った特設サイトを展開したい,という希望がありました。最初はまどかのピンクを基調にした可愛らしいサイトだったのですが,アニメのストーリーの雲行きが怪しくなっているのにピンクのままでも面白くないなと思いまして。アニメ制作製作会社さんからアニメ中のキュゥべえ画像を数点いただいて,特設サイトを開いた際にそれらを編集した少しダークな演出が出るように準備して――実際に公開したこともあったんです。
 一瞬公開したんですが,OKをいただいた2時間後に再検討が入って公開を取り下げ,2時間だけ公開された幻の特設サイトになってしまいました。
4Gamer:
 では,プレイヤーの中にはたまたまそのサイトを目にした人も?
曽根氏:
 いらっしゃったと思います。そのページを開くと,マウスカーソルをキュゥべえが追いかけてくるんですよ(笑)。
 我々としても本当はもっとアニメの特色を取り入れていきたかったため,少し心残りな部分もあるんですが,アニメのイメージももちろん大事ですので,間を取ったというようなかたちになりました。
4Gamer:
 今回の「まどか☆マギカ」とのタイアップキャンペーンは,すでにひと段落したかたちでしょうか。
曽根氏:
 ゲーム内の「なりきりアバター」は残っていますが,新たなコンテンツやイベントを行うことは今のところ予定していませんね。
4Gamer:
 プレイヤーからは,魔法少女“杏子”のコラボアバターアイテムを求める声もあるようですが。
曽根氏:
 杏子のコラボアバターアイテムも検討していました。コラボアバターアイテムがない女性キャラクターとしてピンコが残っていたのですが,ピンコにはセットとして「ロボ」がもれなく付いてきてしまうんですね……(笑)。「ロボ」のイメージはどうしても「まどか☆マギカ」に合わないため,ピンコに実装するのは難しいとなりまして。「じゃあ杏子のアバターを男性キャラクターに付けよう」という話も実はあったのですが,「1人だけ男というのもなあ……」という葛藤もありましたし,開発側としても「ゲームのイメージもありますし,男キャラに女装させるのは“まだ”早い」と。
4Gamer:
 “まだ”とはいったい……!?
曽根氏:
 今後も女装の予定があるのかわかりませんが(笑)。結局,「今回はやめよう」ということになり,どうしても杏子のコラボアバターだけは入れられなかった……という経緯があります。
4Gamer:
 今回のタイアップをきっかけにタルタロスを始めた,という方も多かったのでしょうか?
曽根氏:FF11 RMT
 ええ,多かったです。ただ運営チームとしては,既存のプレイヤーさんに楽しんでいただけるものでないと,タイアップをやる意味がないと思っていました。先ほどの「メール企画」を既存プレイヤー限定で行ったというのも,そういう理由があって,ですね。既存のプレイヤーさんや,以前遊んでいたけど離れてしまっていた方ですとか,そういった方々を第一に考えておりました。
 ただ,新規のプレイヤーさんに対して何もしなかったというわけでもありませんし,タイアップをきっかけに遊んでくださった方もたくさんいらっしゃいます。ストーリーを重視してアニメを観る方は多いですよね。タルタロスもシナリオの比重が大きいので,そういった層との親和性が高いと思っております。ですので,タイアップをきっかけに「タルタロスのストーリーも面白いぞ」と継続してプレイしてくださっているプレイヤーさんもたくさんいらっしゃいますね。リネージュ2 RMT
4Gamer:
 いろいろと難航した部分はあったようですが,タイアップとしては成功だったわけですね。では,今後また別の作品とさらなるタイアップやメディアミックスを行う予定も?
曽根氏:
 もちろん今後も考えています。先ほど「もうちょっとやりたかった」という部分があったように,次回以降も単にアバターを入れるだけじゃなく,アニメの特徴や独自性を活かせるようなタイアップに取り組みたいと思っております。具体的な時期などはまだまだ発表できない段階ですが,各社さんとお話をさせていただいたうえで,すでに候補も挙がってきています。
4Gamer:RMT
 続報に期待,ですね。
曽根氏:メイプルストーリー RMT
 はい。ただ,タイアップをやりすぎてしまってもどうかなという懸念はあります。ゲームが軸なので,ゲームのストーリーを楽しんでいただきたいという思いもありますし,そこは運営チーム側で調整をさせていただいている段階でもあります。

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